さちこのナース勉強blog

ナースの為の勉強blog&ママナースの日常 元ICUナースが臨床で役に立つ看護の基礎と病態をわかりやすく伝えます。ママになって経験してきたこともお伝えしていきます。

熱中症と横紋筋融解症の関係

こんばんは!

最近本当に暑いですね。

早朝はまだ涼しいですが

午前中10時頃からもう本当に暑くて

仕事が終わって夕方車に乗り込むと

サウナのような暑さでびっくりします。

フロントガラスに日よけを付けていますが

やっていてもものすごい暑さですね。

日よけを付けないことを想像すると

ゾッとします(;^_^A

 

こないだ救急外来を担当したときに

出会った症例で

熱中症の方がいました。

自分の中で知識が浅く

熱中症って

脱水になるから腎機能が悪くなる

というイメージだったのですが

データを見ていて

あれ?横紋筋融解症?

とおもい調べたということがありました。

今日はその学びを

お話ししていきたいと思います。

 

そもそも横紋筋融解症ってなんだっけ?

というところですが

横紋筋が融解ということなので

何らかの原因で筋肉が壊れてしまっている

状態のことです。

この何らかの原因という部分ですが

災害時や事故などで重たいものが

乗っかって長時間経ち

それが解除されたときに起きる

クラッシュシンドローム

筋肉の損傷や

損傷した組織の血行障害などによる

体動困難

などの外傷的要因

薬剤の副作用

(スタチン系、抗菌薬、抗不安薬抗精神病薬など)

感染症

脱水

熱中症←コレ!

等があります。

 

横紋筋融解症といえば

体動困難になった高齢者

の経験しかなかったので

熱中症で横紋筋融解症

というのがパッと出てこず

なんだろうなこのデータは…?

と救急をやりながら考えていました。

でもよくよく考えてみたら

熱中症で体温が上昇し

筋肉がダメージを受け、壊れ

横紋筋融解症になるのか~

考えてみれば

なるほど~!

となりました。

 

その時の採血データは

CK上昇BUNとCre上昇ASTとALTの上昇

CRPの上昇Dダイマーの上昇電解質の上昇

がありました。

自分の中で熱中症といえば脱水!

ということは

腎機能のBUNとCreの上昇と

電解質異常だなぁと思って

データを見たので

え?CKと肝機能の上昇?

なんでなの?

と思いました。

 

CKの上昇ということは

筋肉が壊れているということですが

肝機能はどうして悪くなっているのか?

とよくわからなかったのですが

これも肝臓筋肉・心臓にダメージを受けると

ASTやALTなどの肝酵素が漏れ出し

AST、ALTの上昇が起きるようです。

今回は肝臓にダメージも

あったかもしれませんが

どちらかというと筋肉が壊れ

AST、ALTが上昇したわけです。

 

ご高齢ではありましたが

どこかで倒れて体動困難

というわけではなく

暑い中でエアコンを付けずに

生活していたとのエピソードがあり

その時は微熱で食欲不振もあり

熱中症の診断が出ました。

 

熱中症で筋肉が壊れ

横紋筋融解症の状態になっていたんですね。

尿検査のオーダーが出ていましたが

ミオグロビン尿でないか

データを見る必要がありますね!

 

私としては

ほぉ

なるほどなぁと

勉強になった症例でした!

 

7月に入り

ますます暑くなってきます

熱中症の方は増えていくと思いますが

病院で熱中症っぽい人に出会ったら

このブログでお話しした

横紋筋融解症のことも

少し思い出していただけると

嬉しいです(o^―^o)ニコ