さちこのナース勉強blog

ナースの為の勉強blog&ママナースの日常 元ICUナースが臨床で役に立つ看護の基礎と病態をわかりやすく伝えます。ママになって経験してきたこともお伝えしていきます。

狭心症の薬剤②

こんばんは、さちこです!

今日は遅くなってしまっていますが

いつもと変わらず更新します!

 

今日のお題は

狭心症の薬剤についてです。

前回に引き続き

硝酸薬以外のお薬について

お話しします!

聞いたことのあるお薬が

きっと出てくると思います。

実際に作用と副作用は知っていても

作用機序まではあまり

知らなかったりすると思うので

これを機に学べたらいいかな

と思います💡

 

では、はじめます。

 

本日の流れ

 

 

 

1 Ca拮抗薬

Ca拮抗薬には、

ベラパミル、ジルチアゼム、

アムロジピン、ニフェジピンなどが

あります。

Caには、

2つ働きがあります。

血管拡張作用

狭心症作用

です。

詳しく話していきます。

 

血管拡張作用

Ca拮抗薬は、細胞膜上のCa²⁺チャネルを

遮断し、細胞内へCa²⁺の流入

抑制します。

これによって血管平滑筋収縮を

抑制します。

うん、難しいですね。

ようは、Caの作用を抑制する働きが

あるということで

この働きによって

血管拡張作用をもたらすのです。

血管が拡張すると

血管抵抗が緩まるから

結果的に血圧は低下します。

後負荷が軽減できるんです。

 

狭心症作用

Caには心筋の収縮する力を

増強する作用がありましたが、

これも抑制効果が生じるので

心筋収縮力が低下します。

これにより心筋の酸素需要が

低下します。

また先ほども話した

血管拡張作用もあるので

冠動脈の血管も拡張し

冠血流量が増加します。

これにより

心筋への酸素供給が上昇する。

心筋へ届く酸素量が増量し

しかも心臓は収縮力が低下して

お休みモードなので十分な

酸素量を届けることが出来て

冠攣縮を抑制することが出来ます。

 

2 β遮断薬

テノール、プロプラノール、

ピンドロールなどです。

β遮断薬なので

β作用を抑制するお薬です。

β受容体は何だったかというと

β受容体を刺激すると

心臓の収縮力が増強する作用

ありました。

心臓はもともと自律神経の支配を

受けています。

自律神経には、交感神経と

副交感神経があって、交感神経の

神経伝達物質ノルアドレナリン

これが細胞表面の受容体と呼ばれる

部分とくっつくと、交感神経の興奮が

心臓や血管に伝わる。

ノルアドレナリンが作用し

交感神経のβ受容体が刺激を受けると

心臓がバクバクし

脈がはやまります。

β遮断薬は、β受容体への信号伝達を

抑制する働きをしているので

これを投与すると

交感神経の緊張が抑制されます。

これにより、心臓に対する

興奮命令を抑制します。

そうすることで、

心拍数、血圧、心筋収縮力の低下

が生じ、心筋の酸素需要を

軽減できます。

心臓を休ませる薬なんですね。

 

3 抗血栓

血小板または凝固因子を阻害して

血栓形成を防止する薬剤です。

急性冠症候群では、急性期から

使用し、予防の為継続することが

多いです。

 

抗血小板薬

アスピリン

TXA₂(トロポキサンA₂)産生抑制

による血小板阻害をします。

経口投与します。

作用は早い段階で出ますが

直ちに聞かせたいときは

噛んでもらって内服してもらいます。

喘息や消化性潰瘍などの副作用が

あるので注意が必要です。

 

クロピドグレル、チクロピジン

血小板のADP受容体阻害による

凝集抑制作用があります。

作用が出始めるのは遅めです。

こちらも経口投与です。

アスピリンに加えて使用します。

ステント留置後は必ず内服します。

 

抗凝固薬

ヘパリン

AT-Ⅲ活性化による

凝固因子阻害作用。

即効性があるので急性期に

使用する。

投与は静注です。

 

ワルファリン

ビタミンK拮抗作用による

凝固因子産生抑制作用。

効果は4~5日で、遅効性のため

症状が安定してから使用する。

経口投与で内服してもらいます。

催奇形性があるので、妊婦には禁忌

 

 

4 ACE阻害薬・ARB

ACE阻害薬はカプトリル、

エナラプリルなど。

ARBは、ロサルタン、カルデサルタン、

バルサルタンなど。

 

ACE阻害薬

アンジオテンシンⅡを作る酵素(ACE)

を阻害します。

ACEが阻害されなかった場合は

どうなるのかというと

血圧のところで少しやったと

思うのですが

レニン・アンジオテンシン

アルドステロン

の部分。

最終的には血圧上昇作用

もたらします。

なので、ACEが阻害されて

アンジオテンシンⅡが出来ないと

血圧が上昇しません。

血圧上昇を抑制するのです。

またACE阻害薬は、ブラジキニンという

血圧降下作用を持っている物質を

分解するキニナーゼⅡも阻害する

作用があります。

これによって血圧を下げる作用を

助長します。

ブラジキニンは気管支平滑筋を

収縮させる作用があるので、

ブラジキニンの濃度が

上昇すると空咳が出やすいという

副作用があるので注意!

 

 

ARB(AⅡ受容体拮抗薬)

ACEによって作られた

アンジオテンシンⅡの仕事を

ブロックします。

なので、最後の血圧上昇!の作用の

直前に待ったをかけるお薬なのです。

これによってアンジオテンシンⅡが

持っている血管収縮作用が

出来なくなるので

血圧上昇作用を抑制する

ことが出来ます。

あとは、ブラジキニンへの作用が

ないので

咳が出る副作用もないです。

 

ACE阻害薬・ARBの作用

血圧降下作用

・心保護作用

・腎機能保護

動脈硬化の進行を抑える

 

があります。

 

 

今日はこの辺にします。

どうでしたか??

きっと皆さんが一度は

目にした薬の名前が

出てきたんじゃないかな?

と思います。

皆さんの振り返りや、新しい学びになれば

嬉しいなぁと思います。

 

ではまた書きます!

 

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