さちこのナース勉強blog

ナースの為の勉強blog&ママナースの日常 元ICUナースが臨床で役に立つ看護の基礎と病態をわかりやすく伝えます。ママになって経験してきたこともお伝えしていきます。

昇圧剤について②

こんにちは、さちこです!

今日は先日行った、昇圧剤について

の続きをお話ししたいと思います!

昇圧剤の①ではカテコラミン系について

お話ししました!

昇圧剤はカテコラミン

だけではないのです。

遭遇するタイミングが

あまりないかもしれませんが

循環器や心臓外科術後、

ショック状態で重症度が

高い患者などには使用する

事があります。

覚えておくと、人より

ちょっと知っている顔が出来ます(笑)

 

では、始めます!

 

本日の流れ

 

 

 

1 cAMP阻害薬=PDEⅢ阻害薬

(オルプリノン、ミルリノン、

 アムリノン)

このお薬は、カテコラミンとは異なる

作用機序で強心作用をもたらします。

 

交感神経によってβ受容体を刺激すると

心筋は収縮力を高めます。

これによって細胞内で

ATP(アデノシン三リン酸)が

アデニル酸シクラーゼ酵素)によって

cAMP(環状アデノシン一リン酸)に

変換される。

このcAMPは細胞内のカルシウム濃度を

高める働きがあるので

心臓の収縮力が高まったり

血管拡張を促進したりしてくれる。

 

★カルシウム

ん…?

そういえば、カルシウムって

どんな作用をもたらすんだったっけ??

と思った方きっといますね( `ー´)ノ

カルシウムは

もともと心筋の収縮力を増強する役割

がありました💡

 

だけど

このcAMPを分解する酵素があって

それがPDEフォスフォ・ジ・エステラ―ゼ

なのです。

この酵素の働きを阻害するのが

PDE阻害薬です。

cAMPを分解してしまうとせっかくの

心収縮力を高める働きや

血管拡張の働きが

なくなってしまうので

その分解酵素であるPDEの

影響を受けないようにしよう!

そしてそもそものcAMPの働きを

維持させよう!というのが

このPDE阻害薬なんですね。

これによってカルシウム濃度を

高めた状態が維持できて

心収縮力増強と血管拡張ができる

のです。

血管拡張作用は

動脈・静脈・肺動脈それぞれ

拡張されるので

動脈拡張→負荷軽減

静脈拡張→負荷軽減

肺動脈拡張→肺うっ血改善

が期待されます。

 ちなみに腎血流も維持されます。

 

◎β受容体を介さずに収縮力を

高めることが出来るので

β遮断薬使用中でも効果が発揮

出来るそうですよ💡

 

副作用

血小板減少と腎機能悪化

が生じることがあります。

なので採血データを注視しながら

使用しなければなりませんね💦

 

POINT

カテコラミンとPDE阻害薬の併用は

カテコラミンの血管収縮作用を

PDE阻害薬が拮抗するので

心収縮力増強時に心筋酸素消費量を

増加させないことで心不全治療に有用

であるといわれています。

 

 

 

 

2 血管収縮薬=バソプレシン

  (ピトレシン)

 末梢血管収縮作用があるお薬です。

カテコラミンに抵抗性のあるショック

状態に対しての昇圧の時に使用します。

本当に、どの薬剤使っても全然血圧が

上がらない!というときの最終手段の

イメージです。

敗血症ショックなどに持続投与します。

腎輸入細動脈はカテコラミンに拮抗して

収縮させず尿量を維持します。

また冠動脈脳血管

拡張させる働きがあります。

アドレナリン受容体を介さないため

アシドーシスでも血圧が上昇しない!

ということはなく、正常に作用します。

そうそう、カテコラミンは

アシドーシスの時は薬の効果を

十分に得られないのです。

 

副作用

腎機能悪化や消化管虚血が出やすい

無尿や急激な腎機能悪化

の恐れもあります。

 

※このお薬は保険適用外です。

 

今日はこんな感じです!

どうでしたか??

あまり出てこない

お薬かもしれませんが

いざというとき知っておくと役に立つ

お薬たちです。

ほぉ~そういう薬があるのか~

ぐらいの程度でいいので

頭の隅っこに入れておいてください★

ではまた書きます('ω')ノ

 

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