さちこのナース勉強blog

ナースの為の勉強blog&ママナースの日常 元ICUナースが臨床で役に立つ看護の基礎と病態をわかりやすく伝えます。ママになって経験してきたこともお伝えしていきます。

PCI後の看護

こんにちは、さちこです(*'ω'*)

今日はPCI治療後の看護

についてお話ししようと思います。

 

個人的にまとめたノートが出てきたので

それをもとにお話しします☆

 

PCI後どんなことに気を付けて

看護をしたらいいか

今日は細かくお伝えします。

良かったら読んでみてください。

 

では始めます。

 

本日の流れ

 

 

 

1 PCI後の看護

帰室したときの流れに沿って

お話ししていきます。

 

帰室!

帰室したらすぐにバイタルサイン

チェックします。

帰室したときの

全身状態の確認をします。

12誘導心電図を取ります。

治療前後の12誘導心電図と比べて

リズムや波形の変化(ST変化)が

ないか観察します。

 

全身状態を確認して問題がなければ

次に行うのは・・・

 

輸液管理

指示に従い早めに輸液を

開始してください。

患者の心機能によって輸液速度が

変わるので必ず医師に

輸液速度を確認しましょう。

でも時々ルーチンで輸液速度の

指示を出す医師がおります。

大きい声では言えない…

なので

その輸液量がその患者の

年齢と心機能などトータル的に考えて

多すぎないか少なすぎないか

最終的に投与する前に考えてから

輸液を開始しましょう。

自分の中で必ず

”この輸液速度は

こういう理由でこの速度なんだ。”

納得したうえで輸液の投与を

開始するようにしてください。

 

◎ちなみになんで

早めに輸液を開始した方が

いいのか

分かりますか??

 

治療中は造影剤を投与しています。

造影剤は長時間体内に残ると

腎臓に負担がかかってしまいます

そのため、できるだけ早く

輸液を投与して造影剤を排泄

させる必要があるんですね。

 

輸液量を多めに投与して

造影剤を排泄させるように

促すのですが

その時

帰室後の尿比重輸液投与中の尿比重

も観察しながら経時的に見ていきます

また、尿量が投与量とのバランスを見て

どのぐらい出ているのかも

注意して観察します。

急性心筋梗塞心筋の

壊死が生じているため

特に心不全になりやすい状態です。

そのため水分出納バランスに注意して

観察する必要があります。

輸液をしたらその分

尿量が出ているか

その尿の比重は

薄まってきているのか

ともに確認しましょう。

 

胸部症状出現時

胸部症状が出てしまったら

どーしますか?

 

まずは、血圧測定、

12誘導心電図をとり

ST変化がないかを確認します

 

指示のニトログリセリンを与薬

15分後に再度12誘導心電図をとり

ST変化の有無を確認します。

医師にも報告し医師とともに

心電図の確認をしましょう。

 

胸部違和感などの症状の把握が

難しい場合は、

医師に状況報告します。

 

※でも、そんな風にこちらの話を

聞いてくれるDrなら

いいですが、

そんな良いDrばかり

じゃないですよね・・・

そんな時は頼れる先輩と

一緒に考えてみましょう。

 

圧迫解除までの観察

PCIから戻ってきたら

穿刺部を圧迫している

ことがほとんどですよね。

ICUでは、抜去してこないで

Aラインとして使ったり

することもありますけど・・・

 

まぁその圧迫の解除までの

観察は大事なんですよね~。

時々出血していて穿刺部周囲が

血種になってしまったり、

血だらけになったり

するともあります・・・。

 

観察としては

バイタルサイン測定穿刺部の観察

出血・血種の有無を見ていきます。

 

穿刺部の観察といっても

圧迫されている部分なので

直接見ることはできません

 

穿刺部のガーゼが出血で

汚染されていないか

穿刺部周囲を触ってみて

腫れてきていないか

 

を確認しましょう。

 

血種の判断としては・・・

血種は

穿刺部周囲に血液が

貯留している状態で、

穿刺部周囲が腫れて

硬く触れます。

また、皮下出血穿刺部の痛み

違和感などの症状も認められます。

 

あと、穿刺部周囲の見える部分

だけでなく鼠径部アプローチなら

アプローチした側の

腰部を押さえて痛がる

様子がないか確認してみてください。

後腹膜に出血があった場合

腹壁側の観察だけでは出血を

見逃してしまいます。

 

後腹膜へ血液が流れて

いってしまっている場合は

腰部を押したとき

めちゃくちゃ痛がります。

ただの腰痛程度ではなく

ものすごく痛がるので

そういう痛さだなと覚えて

おいてください。

 

穿刺部周囲の観察とともに

血ガスが測定できる場合は

Hbの低下がないか確認しましょう。

 

また、

圧迫による血流低下がないかを

確認するため

穿刺部位より末梢側動脈が

触知できるか観察し

末梢冷感、チアノーゼ、しびれ、

感覚鈍麻の有無も観察します。

 

圧迫中は効果的な

止血が出来るようにするため

安静の保持が必要なのですが

これがまた患者にとってものすごく

ストレスなんですよね。

動かないでといわれても

圧迫しているだけだし

本人に取ったらそれほど痛みを

感じたりしていないから

動こうと思えば動けちゃうんですよ。

だから圧迫中の足や腕の安静が

必要だということを説明しても

悪気がなくても無意識に

動かしてしまうこともあるんですよ…。

 

その場合は、本人や家族に同意をもらい

圧迫部位が屈曲しないように

抑制などを行い

効果的に穿刺部の圧迫が

できるように介入します。

 

ちゃんと圧迫しないと

本当に大出血ですからね…。

ナメたらあかんのですよ。

 

圧迫解除

ついに!

圧迫解除です!

圧迫解除後は、穿刺部を

消毒し保護テープを貼ります

この保護テープの上から

その後も出血や血種がないか

観察していきます。

 

安静解除のポイント

圧迫解除後、出血・血種の有無を

確認したうえで安静解除を行います。

安静解除後、医師の指示のもと

徐々に心臓リハビリを行います。

労作による出血や血種形成がないか

も確認します。

 

 

動き出したら出血してしまった!

ということもあります。

 

そんな時はどうしたらよいのか…

 

出血・血種形成時の対応

血種形成時や止血困難な場合

↳  圧迫ガーゼや沈子、創部保護テープの

 上から用手圧迫し、医師に報告

 医師にて再圧迫してもらいます。

 再圧迫後血種部にはマーキングを行い

 拡大していないか確認します。

 

圧迫ガーゼや創部保護テープに少量の
出血汚染を認める場合

↳  出血汚染部位にマーキングを行い

 拡大がないか経時的に確認します。

 

止血用押圧器具(とめた君)
装着中の出血時

↳  指示に従って専用の

 注射器で空気を入れ

 再圧迫の状態にしてから

 医師に報告します。

 

疼痛管理

安静臥床による腰痛や背部痛に

対しては、バスタオルや安楽枕を入れ

体位を整え、マッサージなどを行う。

穿刺部位の屈曲には注意します。

指示にある鎮痛剤や湿布などの

消炎・鎮痛剤を使用し緩和します。

 

ロキソニン(NSAIDs)は絶対ダメ!

NSAIDsを内服することで

血管収縮を起こし心負荷が増大します。

またNSAIDsを使用する事で

死亡率が上昇し心不全や急性腎障害

起こす率が高いことが知られています。

なので鎮痛剤はカロナールなどの

アセトアミノフェンを使用します。

もし指示でロキソニンなどが出ていたら

確認した方が良いでしょう。

 

 

食事・飲水

基本的に帰室直後から飲水・食事

は可能です。

ただしCK、CK-MBのピークアウトを

待ってから

開始となることもあるので

医師の許可を得てから開始します。

 

日常生活援助

二重負荷を避け、ひとつの動作を

行った後は30分ほど休んで

次の動作を行うようにします。

ケアの介入も二重負荷を考え

スケジュールを立てるようにします。

 

 

今日はこんなところで

終わりにしようと思います。

少しいつもより

長くなってしまいました(;^_^A

自分が経験したことをもとに

書いてみましたが

理解できたでしょうか??

PCIから帰ってきたら

まず、バイタルサイン、全身状態確認、

12誘導心電図をとること

輸液を早く投与すること

入れたら入れっぱなしじゃなく

尿が出ているか経時的に

観察すること!

これが大事です。

これを頭に入れてもらって

あとはその都度何か起きたら

対応する!そんな感じです。

PCI受け入れるときには

少し思い出して

もらえると嬉しいです。

 

では今日はこの辺で!

また書きます☆

 

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結構わかりやすくまとめられていて

参考になってました💡