さちこのナース勉強blog

ナースの為の勉強blog&ママナースの日常 元ICUナースが臨床で役に立つ看護の基礎と病態をわかりやすく伝えます。ママになって経験してきたこともお伝えしていきます。

知っているようで知らない中心静脈カテーテル(CVC)の管理方法

こんばんは、さちこです('◇')ゞ

今日はお問い合わせフォームを作ってみました!

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気になることがあれば、

ぜひお問い合わせフォームに

問い合わせてみてください!

わかる範囲で回答します( `ー´)ノ

 

昨日は術後出血について

お話しさせてもらいました。

その中でCVPの項目があったと思います。

CVPを測定するのに、

中心静脈カテーテル(CVC)を

用いて測定しますが

そのカテーテルについて

今日はお話ししたいと思います。

 

病棟でもCVCを留置している患者に

出会うことは多いと思います。

でも、意外とCVCのそれぞれの

ルートの特徴など細かいことは

あまり知らないけど管理している

ということはあると思います。

集中では、よくお目にかかるので

知っている方が多いと思いますが…

指導していると知らなかった

という看護師さんに出会ったり

することもありました。

 

この記事を見て

「あ!そうだったのか!」と感じて

もらえる機会になってほしいなと

思います。

 

では始めまーす!

 

本日の流れ

 

1 中心静脈カテーテル(CVC)とは

CVC挿入の目的

中心静脈とは、右心房から約5㎝以内

胸腔内にある上・下大静脈を指します。

中心静脈は体内で最も太く血液量が多い静脈です。

CVCを介して中心静脈圧(CVP)を測定し

体液量や心機能(前負荷)を評価することが

出来るため、心不全や輸液負荷の指標に

なります。

 

メリット

血管炎をきたしやすい高カロリー輸液

抗がん剤などの薬剤投与が出来ます。

また、血管外への漏れ出る恐れが低いため

確実に投与しなければならない薬剤

(昇圧剤や降圧剤、鎮静薬など)の

投与が可能です。

 

デメリット

長期留置によって感染源になる場合があります。

末梢ルートと比べ、体動が制限されるため

患者への負担になります。

 

※高齢でせん妄状態や不穏状態の患者には

 CVC留置時抜去のリスクがあるので

 注意が必要です。

 事故抜去で空気塞栓になったという

 インシデント・アクシデントも出ているので

 細心の注意を払って観察してください。

 

CVC挿入部位の特徴

 

CVCには3つ挿入部位があります。

内頸・大腿・鎖骨下静脈の3つです。

 

内頸静脈

よく目にする留置部位です。

13~15㎝挿入し固定されます。

 

【メリット】

気胸のリスクが低く安全で、

第一選択にされる部位です。

また、動脈穿刺時に圧迫止血しやすいです。

 

【デメリット】

重要臓器が近く、合併症を生じた場合

重篤化しやすいです。

 

大腿静脈

40~50㎝挿入し固定します。

輸液ルートのみで使用する場合は

15㎝ほどで固定することもあります。

※CVPを測定したい場合は胸腔内

 ルートの先端がないと正しい値が

 測定できないため、長めに挿入が

 必要になります。

 

【メリット】

穿刺や止血が簡単で気胸になる

危険性が低い。

 

【デメリット】

部位的に汚染しやすい

挿入するルートが長いため血栓症

のリスクが高いです。

 

鎖骨下静脈

私はあまりお目にかかったことが

ないのですが、ポートとか作るときは

鎖骨下ですね。

13~15㎝挿入し固定します。

 

【メリット】

固定が簡単で患者への負担が少ないです。

感染リスクが低く、長期留置が必要な

場合に最適です。

 

【デメリット】

気胸動脈穿刺の危険性が高く

右側はリンパが合流するためリンパ漏

恐れがあります。

また、動脈穿刺時の圧迫止血が困難です。

 

≪CVCの適切なカテーテル先端位置≫

・中心静脈血管壁に平行で中縦郭の右側

・上半身からの時は上大静脈

・下半身からのときは下大静脈

 

といわれています。

 

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CVC留置部位

※尺側皮静脈はPICCカテーテル留置時に挿入します。

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CVC留置部位 X-P

http://iryoukankeisikaku.com/blog-entry-597.htmlより

 

合併症

CVCを留置することで起こりやすい

合併症がいくつかあります。

CVCを留置している患者は

みんな起こる可能性があるので

注意して観察してください。

 

気胸・血胸】

呼吸困難、胸痛、低酸素血症、

胸郭挙上の左右差が出現します。

原因は、胸膜への穿刺によるものです。

 

対策

挿入後には必ずレントゲンを撮って

 確認します。

 発生時は胸腔ドレナージを行います。

 

【出血・血種・動脈穿刺】

頸部血種で気道圧迫や狭窄が生じます。

動脈誤穿刺や凝固能低下によって起こります。

これは私も1度だけ当たったことがあります。

CVC留置後(頸部周囲のCVCアプローチの場合)

頸部の観察はものすごく大事だと

思い知らされました。

 

対応⇒圧迫止血

 

【空気塞栓】

肺塞栓症症状が生じます。

ルート内のエアが入ることによって

起きます。

また予定外抜去による空気塞栓もあります。

 

対策

⇒ルート内の空気が入らないように除去する。

 

対応

⇒予定外抜去の場合は、

 その場に居合わせているときは

 抜去部をすぐに圧迫し空気が

 血管内に入らないようにします。

 

不整脈

期外収縮や心房細動(AF)、心房粗動(AFL)

などが生じます。

ひどいと期外収縮で収まらず心室粗動(VT)

などの致死的不整脈をおこすこともあります。

不整脈カテーテルの心臓への刺激で起きます。

よくあるのが、頸部周囲からアプローチ

したときにカテーテルの先端が

少し奥まで入ってしまって

心臓に触れてしまい不整脈を起こします。

 

対策

⇒心電図モニタリングを行い

 期外収縮など不整脈が生じたときは

 必ず術者の医師に声をかけるように

 しましょう。

 留置後の不整脈であれば

 医師に報告しCVCの

 位置変更をすることもあります。

 

心タンポナーデ

ショック、動脈圧の脈圧減少が生じます。

心嚢穿孔によって起こります。

 

対応⇒心嚢ドレナージを行います。

 

 

2 CVCルートの特徴

CVCには、ダブル・トリプル・クワッドルーメン

の3つの種類があり言葉の通り

1つの太いルート内に

2・3・4つの内腔が存在し

それぞれのルートに分かれています。

このおかげで、配合変化や同時投与で

投与できない薬剤でも1度に多くの

薬剤が投与できます。

 

割とよく出会うのはダブルとトリプルルーメン

ですが、内腔の特徴について

詳しく見ていきましょう。

 

Distal(ディスタール)

内腔の大きさ:16G

CVCトリプルルーメンの中で一番太いルートです。

最も心臓に近く循環血液量を反映します。

内腔が太いため、大量輸液したい場合や

急速投与に向いているルートです。

また、一番太いのでCVP測定を行うのに

適しています。

 

【投与薬剤】

メイン(高カロリー輸液、維持輸液)

 

 

Medial 1(メディアル1)

内腔の大きさ:14G 

クワッドルーメンの時は存在します。

先端から15㎜の位置に穴が開いていて

そこから薬液が血管内に投与されます。

クワッドの中では一番太いルートです。

内腔が太いため大量輸液や急速投与に

適しています。

 

【投与薬剤】

輸液の急速投与

 

Medial 2(メディアル2)

内腔の大きさ:18G

トリプルルーメンであれば薬液が出てくる

位置は真ん中です。

内腔が細く流量が安定します。

大事な薬剤はこのルートから

投与します。

 

【投与薬剤】

低流量の薬剤や循環作動薬

 

Proximal(プロキシマル)

内腔の大きさ:18G

心臓から一番遠い場所に穴が開いていて

そこから薬液の投与がされます。

予定外抜去時の薬剤投与中断の危険性が

高いです。

 

【投与薬剤】

鎮静薬など

他3つのルートの投与薬剤以外の

ものが投与されます。

予定外抜去が生じた場合に

一番漏れる危険性が高いので

最悪漏れてもとりあえず大丈夫な

薬剤を接続します。

裏を返せば絶対に循環作動薬などは

ココに接続してはいけない!

ということですね。

 

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アロー中心静脈カテーテルセット 添付文章より

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中心静脈用カテーテルイントロデューサキット CVレガフォース EX添付文書より

 

 

お疲れさまでした!

 

CVCの特徴

あ!そうだったんだ!

という学びになれたでしょうか?

CVCルート管理するときには

今回の記事のことを思い出して

管理してもらえたらうれしいなと

思います。

 

今日はこんなところで終わりたいと思います

おやすみなさい(*'ω'*)

 

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こんばんは!さちこです。今日は中心静脈カテーテルについて書いてみました!よかったら見てください!http://saccyan-kango.hatenablog.com