さちこのナース勉強blog

ナースの為の勉強blog&ママナースの日常 元ICUナースが臨床で役に立つ看護の基礎と病態をわかりやすく伝えます。ママになって経験してきたこともお伝えしていきます。

動脈圧波形 呼吸性変動とその対応

こんにちは、さちこです!

今日は昨日に引き続き動脈圧波形の

呼吸性変動とその対応について

お話ししたいと思います。

呼吸性変動ってどうして起きるのか

これを読めば理解できるはずです💡

そしてそのような患者がいたら

医師に報告し適切な対応が

できるようになるでしょう★

看護師は常に患者の観察と看護を

行っています。

だからこそ医師にはわからない

小さな変化を察知し早期に報告・対応が

できるようにならなければ

ならないと思います。

今日のお話はその早期発見にもつながる

ものです!

また、実際に血圧が低下した場合

どのように対処したらいいのか?

臨床ではこういった実践できる知識は

大事ですよね(*´з`)

これについてもお話しします!

では始めます。

 

本日の流れ

 

 

 

1 呼吸性変動とは

呼吸性変動とは、動脈圧波形が呼吸の

呼気・吸気によって波形に波ができ

変動が生じるものです。

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http://ht.edwards.com/scin/edwards/jp/sitecollectionimages/products/mininvasive/flotrac/ft_catalog_ew-2011-022.pdfより拝借しました

 

なんでこの波形に揺らぎが起こるのか

というと

胸腔内の圧力の変化によって

静脈灌流量が変動し

それに応じて一回拍出量が減少するため。

それが呼吸パターンに同調して

動脈圧波形が揺らぎます。

正常な換気の時は

呼気時に胸腔内圧が上昇して

太い静脈が圧力で押され

静脈灌流量が減少

陽圧換気時には吸気時

静脈灌流が減少します。

循環血液量が減少すると

この変動が大きくなり動脈圧波形も

変動が大きくなります。

ただし、不整脈がないことが前提

不整脈があると、一回拍出量の変動が

生じるため動脈圧波形が

揺らぎます。なので

不整脈出現時は動脈圧波形の

揺らぎがあっても

循環血液量の減少(脱水)

ではないのです。

 

ふむふむですね( ..)φ 

 

だんだん勉強していくと、SVVという

ワードが出てきます。

このSVVっていったい何なんでしょう。

 

 

2 SVVとは

SVV=一回拍出量変化量のことを言います。

動脈圧波形の呼吸性変動を読み取って

一回拍出量の変化の割合を

ビジレオモニター、フロートラックセンサー

などが数値にしてくれます。

このSVV=13%以下であるのが正常です。

15%以上の数値が出ている場合は

循環血液量の減少が考えられ

輸液負荷などの対応が必要になります。

 

SVVを13%以下になるように輸液管理を

していくことが大事なんです。

 

 

3 血圧低下があった場合の対応

呼吸性変動やSVVについて

お話してきました。

早期にその呼吸性変動や

SVVの変動が把握できなくて

血圧が低下してしまった場合や

早期発見はしていて、

医師に報告もしていたなど

状況はいろいろあると思いますが

じゃあ実際に血圧が低下してしまった

場合、私たち看護師は

どのように対応したらよいのか

説明していきます。

 

皆さん患者の血圧が下がった時

どのように対応していますか??

足を上げて頭を下げる

頭を挙上して足を下げる

どちらですか??

 

割と足を上げて対応される方が

多いと思います。

その真意はきっと循環血液量が

減少していることが考えられるから

末梢の血液を中枢に送ろうという

事ですよね。

 

皆さんが考えておられる通り

下肢挙上をすることによって

末梢の血液が中枢に移動し

血圧が一時的(7分ぐらいといわれています)

に上昇します。

ただし、これは循環血液量が

不足している場合に限ります。

こんな感じで両ひざ下に枕やクッション

を入れることで両下肢を挙上します。

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この方法をPLRといいます。

これを行うことで約300mlの血液を

右心系に負荷することが出来るので

心拍出量が増加し

血圧が上昇するわけです。

 

でも、みんながみんなそれを

していいわけではないのです。

 そう、このPLRをやって効果が出るのは

循環血液量が減少している方だけ

 

この方法を心不全の患者に行うと

どうなるか・・・

結論から言うと

血圧がさらに下がります。

なぜかというと

右心系に戻ってくる血液量が増加

することで心負荷が

ものすごーくかかります。

そうすると、心不全で弱っていた心臓が

頑張って戻ってきた分の血液を

心臓を強く収縮させたりして

身体に送ろうとしなければなりません。

でも、弱っているから

収縮力があまりなく、体循環に血液を

送り出すことが出来ません。

やがて心臓は戻ってくる血液量が

多すぎて心臓に負荷がかかりすぎ

ギブアップ。

心不全がさらに悪化してしまうのです。

 

心不全の場合血圧が下がったら

下肢挙上は行わず

頭を上げてみてください。

全身から戻ってくる血液量が

減り、血圧が上昇することがあります。

 

 

血圧が下がった!

  ⇓

足を上げてみよう!

 

という安易な考えは

よろしくないということですね(;^_^A

患者が今どういう状態なのか

様々な数値や患者の身体所見から

アセスメントして

患者の状態にあっている

対応が必要なのです!

 

今日はこんなところです!

どうでしたか??

呼吸性変動・SVV

血圧低下時の対応について

理解できたでしょうか??

 

是非臨床で使ってみてください!

では今日はこの辺で

失礼しまーす('ω')ノ

 

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