こんにちは、さちこです。
今日も呼吸不全の病態について
見ていきます。
今日は
引き続きⅠ型呼吸不全の
病態について
お話ししていこうと思います。
では早速始めます。
本日の流れ
1 Ⅰ型呼吸不全の病態
前回はこの図の
拡散障害という部分を
見てきましたね。
肺胞と血管の間に
何らかの障害が出来ることで
酸素化障害が起こることを
拡散障害といいました。
今回はⅠ型呼吸不全の残りの
シャント
についてお話しします!
シャント
シャントとはどういうものか…?
「体を循環して戻ってきた血液が
肺胞でガス交換を受けずに
また全身に送られてしまう状態」
を言います。
血液は酸素を受け取らずに
素通りしてしまうので
低酸素血症になってしまうのです。
シャントの中にも
2つ種類があって
生理学的シャントと解剖学的シャント
があります。
それぞれ説明します。
生理学的シャント
痰詰まりなどによる無気肺が
生じたときにおこるもの。
解剖学的シャント
近くにガス交換ができる肺胞が
ない状態で、酸素化されずに
動脈血へ流れ
全身に送られてしまう現象です。
健康な人でも1~2%ぐらいは
存在します。
テべシアン静脈や気管支静脈などが
この解剖学的シャントにあたります。
病的なものでは
先天性心疾患や肺動静脈瘻などです。
この解剖学的シャントは
器質的なものなので
状態を改善させるためには
原因を取り除くほかないです。
基本的に臨床でシャントと
いう場合は
だいたい
生理学的シャントの方を
いいます。
なのでここでは
生理学的シャント
についてお話しします。
無気肺などの何らかの原因で
換気されないと血液は酸素化
されないまま静脈から動脈へ
流れていきます。
でも人間ってすごいんです‼
無気肺などが出来てある程度
時間が経つと
換気されない肺胞を通過する
血液が少なくなるんですが・・・
急にできた無気肺等に関しては
さすがにそこまで対応が出来なくて
大量の酸素化されない血液が
心臓に戻り全身に流れてしまいます。
こうなると
重篤な低酸素状態になってしまって
普通の酸素療法では
全く改善しない低酸素血症になります。
そのため無気肺を改善するための
治療が必要になります。
対応
じゃあこの無気肺を
改善するための方法・・・
どうしたらいいかなのですが
学生の時、国家試験に出るから
よく勉強したと思います💦
こんな図見たことありますよね?
そう、体位ドレナージ!!
よくこの図を見て
どこに痰が溜まったら
どっち向きにするんだっけ?
と国家試験の勉強で
使ったのを覚えています。
結構この図大事だったんです(笑)
痰が貯留して無気肺になっている
ことが疑われるなら
この体位ドレナージと
スクイージング
あとタッピングをして
排痰ケアを行います。
例えば
痰が右下側にある場合は
右肺が上になるように体位を整え
痰が重力で太い気管に
流れ込むようにします。
体位ドレナージと一緒に
スクイージングとタッピングを
合わせて行うと
さらに痰が流れやすくなって
排痰しやすくなります!
※ただし、何でもかんでも
体位ドレナージを
していいわけではない!
禁忌があります。
・不安定な脊椎疾患
・モニタリングされていない
頭蓋内圧亢進
・顔面、骨盤骨折
・腹側の熱傷、開放創
・急性出血状態
・致死的不整脈
です。
このようにして排痰ケアを
行うことで無気肺の改善が
徐々に認められるようになり
酸素化が改善されてくるように
なります(´ω`*)
◎スクイージングとは
気道にたまった痰をスムーズに
出す呼吸理学療法の一つ。
≪スクイージングのやり方≫
痰がありそうな場所
(聴診して水泡音やいびき音
が聴こえる場所)に
両手を当てて
息を吐くときに両手で
しっかりと胸を絞り込むように
押します。
そして息を吸うタイミングで
手を離します。
◎タッピング
胸壁をたたくこと
痰を出しやすくします。
≪タッピングのやり方≫
タッピングをするときは
まずおにぎりを握るような
手の形を作ってください。
そして痰がありそうな場所に
その形作った手を
あてトントントンと
1秒に3回ほどの速さで
たたきます。
強すぎず弱すぎず。
これはコツがいるので
スクイージングやタッピングを
するときは先輩や慣れている
人からレクチャーして
もらってください。
これら二つの手技にも
禁忌があります
・胸部の広範な熱傷による
植皮術後
・循環動態が不安定
・多発肋骨骨折
(フレイルチェストを伴う)
・離開した術創の存在
・脆弱化した皮膚・骨粗しょう症
の合併
禁忌があることを理解し
必要な場面で
二つの技術を使ってみてください!
はい、今日はこんなところで
終わりにします!
どうでしたか???
シャントについて
理解できましたか??
今回一緒に換気血流比不均等も
お話ししようと思っていたのですが
思いのほか長くなってしまったので
また次で書こうと思います。
では、また書きます☆
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