さちこのナース勉強blog

ナースの為の勉強blog&ママナースの日常 元ICUナースが臨床で役に立つ看護の基礎と病態をわかりやすく伝えます。ママになって経験してきたこともお伝えしていきます。

輸液管理の基礎を学ぶ! 第一弾 

こんばんは、さちこです(*'ω'*)

今日は輸液管理の基礎を学ぼうと思います。

輸液のそれぞれの特徴の前に

ヒトの体の解剖生理を簡単に

まとめてみよう!

ということで、

輸液を考えるにあたって必要な

基礎知識まとめちゃいます!( ..)φメモメモ

輸液はいろんな種類がありますが

今どうしてこの輸液を投与しているの?

その疑問がわかるようになるための

第一歩です。

 

では早速始めます☆

 

本日の流れ

 

  

1 ヒトの体液組成

皆さん!

ヒトの体重当たりの水分量は

どのぐらいか知っていますか?  

なんと…!!

60%が水分でできています!

50㎏の体重の場合は

30㎏分が水分ということになります。

 

 

この水分量は、年齢によってかわり

乳児は70%

幼児は65%

成人は60%

高齢者は50%

の水分割合です。

 

 

高齢者が脱水になりやすいのは

成人と違い内水分量がもともと少ないから

そのため、わずかな水分摂取不足で脱水症を

起こしやすくなります

そのうえ、高齢になると体の感知能力が低下し

のどの渇きも感じずらくなってしまうため

水分の摂取量が減り、脱水になりやすいです。

この夏の季節は特に、知らない間に汗で水分を

体外に排出してしまっているのもあるため

高齢の方は特に意識して水分を取ることを

お勧めしたいですね。

うちの祖母には、必ず寝る前に”1杯のお水を

飲むようにしてね”と伝えています。

脱水になると、血栓梗塞・塞栓症状が

起こる恐れがあるので怖いです。

 

水分量60%のうち、

細胞内液が40%、細胞外液が20%

割合になっています。

細胞外液のうち

間質液が15%、血液が5%です。

※間質液は、細胞に水と栄養を与えるもの。

 

循環血液量

循環血液量とは、血管内液量(体重の5%)に

赤血球、白血球などの血球成分を加えたものです。

 

ちなみに

成人の循環血液量は70ml/㎏

なので

体重50㎏の場合3500ml=3.5L

が循環血液量となります。

 

★術後の申し送りで出血量って

必ず聞くと思いますが、その出血量が

1000mlだった場合、約1/3が失われた

ということです。

知っているか知らないかで

出血量の感じ方が変わると思います。

 

💡POINT

ヒトの細胞内・外液ではそれぞれの陽・陰イオンが

バランスを保とうという性質があります。

+と-が同じぐらいに保とうという性質がある!

ということを覚えておいてください( ..)φメモメモ

体の状態を考えるときに役に立ちます!

 

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2 ヒトの水分出納

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ヒトの水分出納は図のような感じで

水や食事、代謝水が体内に入り

尿、便、不感蒸泄となって排出されます。

 

代謝水ってなに?

 細胞のエネルギー代謝によって

 体内に新たに産生された水のこと。

 ちょっとわかりづらいかもしれないので

 もっと簡単に言うと

 細胞が生まれ変わるときに出る水のこと。

 自然にこんな水を出しているなんて

 すごいですね(;^_^A

 

健康な人であれば口から食事や水を摂取

出来ますが、入院中の患者などは

口から摂取できないこともあります。

そのような場合は

ヒトは水分60%で

できているので失われる水分を

補う必要がありますよね!

 

そこで計算すべきなのが維持輸液量です。

上の図にも出しましたが

維持輸液量は約40ml/㎏/日です。

これと病態をもとに医師は

一日輸液量を検討しています。

覚えておくと病態とも

関連させやすいですよ!

 

3 体液の等浸透圧の法則

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この法則は図の通りなのですが

水は血管、間質、細胞内を行き来できます。

電解質は血管と間質を行き来できる。

しかし細胞と間質は行き来できません。

蛋白質、赤血球、白血球などは

血管、間質、細胞それぞれに存在はしますが

それぞれを行き来することはできません。

このルールをもとに、

血管、間質、細胞内の浸透圧は

常に等しくなるようになっています。

これを体液の等浸透圧の法則といいます。

 

 

ここまでは輸液の基礎を学ぶのに大事な知識

でした。

知っている知識もあったと思いますが

知らなかった!という部分も

あったんじゃないかなと思います。

基礎的な部分ではあるので

頭の片隅に置いといて

もらえたらうれしいです( `ー´)ノ

 

 

このシリーズの次回はよく投与する

輸液について詳しく解説しようと思います。

では今日はおやすみなさい!

 

 

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輸液管理の基礎について書きました!よかったら見てください!http://saccyan-kango.hatenablog.com