さちこのナース勉強blog

ナースの為の勉強blog&ママナースの日常 元ICUナースが臨床で役に立つ看護の基礎と病態をわかりやすく伝えます。ママになって経験してきたこともお伝えしていきます。

血圧 第二弾

こんばんは!
どんよりとしたお天気が続いていますね。いつになったら梅雨が明けるのやら・・・
九州のほうは、今日梅雨が明けたようですね!
暑いのは嫌だけど、梅雨のどんよりとしたお天気のほうがもっと嫌です(;^_^A

昨日は途中で終わってしまいました。
図を使ってみたりして頭を使っていたらちょっと疲れてしまいまして(笑)
さて、昨日の続きのお話をしていきます。

3 血圧調節のメカニズム

血圧の調節には主に
 ① 神経性因子(自律神経系による調節)

 ② 体液性因子(ホルモンによる調節)


この2つがあります。

上から順に説明していきます


① 神経性因子
血圧を調節している主な神経には、延髄にある血管運動中枢(血管収縮・血管拡張中枢)と心臓中枢(心臓促進中枢・心臓抑制中枢)があります。どちらかの中枢が刺激されると、一方の中枢の働きが自動的に弱まります。

具体的に見ていくと・・・
・血管収縮中枢に刺激すると  全身の交感神経系を興奮させて末梢血管を収縮 ⇒ 血圧上昇

・血管拡張中枢に刺激すると   副交感神経系を興奮させ末梢血管が拡張   ⇒ 血圧低下

・心臓促進中枢に刺激すると  交感神経系を興奮させ心臓の拍動を促進    ⇒ 血圧上昇

・心臓抑制中巣に刺激すると  副交感神経系を興奮させ心臓の拍動を減少   ⇒ 血圧低下

では、これらの神経中枢を刺激する因子はいったいなんなの・・・?( ̄∠  ̄ )ノ

◎中枢刺激因子
 1.動脈血中のO₂・CO₂濃度、㏗の変動
 2.血圧
 3.痛覚刺激
 4.胸腔内圧


この主に4つの因子で刺激されます。
うわぁ~なんだか難しそう。( ´_ゝ`)ノ
そうおもったあなた!うん、難しいのですよ。( -д-)ノ

まぁともかく細かく見ていきましょう。

1.動脈血中のO₂・CO₂濃度、㏗の変動
動脈血中のO₂が低下(すると、頸動脈や大動脈などにある化学受容器が刺激され、血管運動中枢に伝わり反射的に血管を収縮させ血圧を上昇させる。血圧が上昇すると、圧受容器が刺激され、血管運動中枢に伝わり、反射的に血管を拡張させ、血圧を低下させる。
CO₂が上昇(すると、血中カテコラミンが上昇し、血圧が上昇する。反対にCO₂が低下(すると、血中のカテコラミンが減少し、血圧が低下する。
㏗が低下(すると、カテコラミンへの反応性が低下し血圧の低下が生じる。

2.血圧
ここで出てくる血圧は、血圧の増減に応じて血管運動中枢・心臓中枢が刺激されます。


3.痛覚刺激
大脳皮質辺縁系に生じた不安や怒りなどの情動興奮や痛みなどは、視床下部にある自律神経中枢内分泌中枢を興奮させます。
自律神経中枢の興奮は、心臓中枢、血管運動中枢を刺激し、反射的に末梢血管の収縮心拍出量の増加を引き起こします。同時に副腎髄質からのアドレナリンやノルアドレナリンの分泌を増加させ、血圧を上昇させます。


4.胸腔内圧
胸腔内圧が上昇すると、下大静脈、上大静脈が圧迫されて、中心静脈灌流量が低下(します。これにより血圧が低下します。
人工呼吸器管理の患者のPEEPが高めに設定されていたりすると、肺への圧力が上昇し胸腔内圧が上昇するため、血圧が低下します。


② 体液性因子
 2つ種類があります。

 1⃣ レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系

 2⃣ プロスタグランジン、カリクレイン・キニン系

まずよく聞く1⃣レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系についてです。


1⃣ レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系

腎糸球体における輸入動脈の血圧が低下すると、それが腎の傍糸球体細胞にある圧受容器に作用して、レニンの分泌を促します。
アンジオテンシンⅡは末梢血管平滑筋に作用し、血管を収縮させて血圧を上昇させます。


レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系

この図、意外と使えるかも!(笑)
血圧の薬は、何種類かあるけどこのレニン・アンギオテンシン・アルドステロン系を阻害している薬もあるので、お薬の場面でもこの知識は生きると思います。

ちなみに、ナトリウム再吸収促進とありますが、ナトリウムは水を引き込む性質があります。そのため、血管内にナトリウムが再吸収されると、血管外(細胞や間質)より水分が引き込まれるため血管内の血液量が増加し、循環血液量が増量します。循環血液量が増量すると、心拍出量が増量するため血圧は上昇します。

血圧=心拍出量(CO){=1回拍出量(SV)×心拍数(HR)}×末梢血管抵抗(PR)
      


2⃣ プロスタグランジン、カリクレイン・キニン系
プロスタグランジン、カリクレイン・キニン系は、腎臓などで産生される代表的な血管拡張物質(血圧を下げる物質)です。

腎性昇圧系のレニン・アンギオテンシン・アルドステロン系と腎性降圧系のプロスタグランジン、カリクレイン・キニン系は、相互に関連しながら血圧を調節しています。



今回は文字がとても多くなってしまいました・・・
難しい内容も含まれていますが、何による血圧上昇なのか、低下なのかを考えるために必要な知識になってきます。何によるものなのか、考えることでその先どういう観察やケア、処置が必要なのかもおのずとわかってきます。そうすると、医師がやっている治療を理解出来たり、医師の行う治療行動を事前にこちらで考えることもできます。
この記事が皆さんの考えるきっかけになってくれたらいいな!なんて思っています(。・ω・)ノ゙

 

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血圧第二弾です!今回は少し文章が多いけど、きっと力になる内容だと思います❀.(*´◡`*)❀.わたしは結構臨床でこの内容がいかされたことがありました!これを知ってると今の患者の状態とその先どうしたら良いのかを考えるヒントになると思います。よかったら読んでみてください⭐️