さちこのナース勉強blog

ナースの為の勉強blog&ママナースの日常 元ICUナースが臨床で役に立つ看護の基礎と病態をわかりやすく伝えます。ママになって経験してきたこともお伝えしていきます。

心電図 心室頻拍(VT)と心室細動(VF)

こんにちは、さちこです!

今日も昨日に引き続き

不整脈についてです。

昨日の不整脈

RonTや多源性PVCのあと

移行する可能性のある

心室頻拍(VT)と心室細動(VF)

についてお話しします。

 

致死性不整脈の患者さんを

受け持ったことありますか??

自分がちょうどその患者さんの

VTやVFに当たって対応したこと

ありますか??

 

急変の分野に入ると思いますが

当たるとものすごく焦ります。

普段からこうなったらこうすればいい

と想像していても焦るものです。

 

なので、想像せずに急変に当たった時の

パニックさなんて・・・

びっくりするほど動けなくて

へこみます(笑)

 

だからこそ常日頃から、

最悪の事態のときの

対応の仕方を考えておくことは

大事なことなんです。

考えているのといないのとでは

だいぶ動き方が変わるんです。

 

というわけでやっていきましょう☆

 

本日の流れ

 

1 心室頻拍(VT)

心室頻拍(VT)とは

心室で生じる頻拍性不整脈の総称

をいいます。

ヒス束分岐部より遠位の刺激伝導系および

固有心室筋から発生する頻拍のこと。

難しい言葉が並びますが、

まぁようは

心室から刺激が発生してしまって

起きる頻拍性の不整脈

ということですね。

 

波形の特徴

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こんな波形ですね!

 

幅広QRS波

規則的なQRS波

・先行するP波がない

 

これらの特徴があります。

 

心室内の心筋細胞が、勝手な刺激を

出して心室いびつな収縮をします。

そのためQRS波は、本来と違う形

になります。

また、心室のどこの部位から刺激が

出るかによってQRS波の形が上向きか

下向きか変わりますが、いびつな収縮を

するのは同じで、ゆっくりと刺激が

伝わるため幅広のQRSになる。

 

VTの時の心臓の動き

心房と心室の動きが連動しておらず

頻拍のため心臓に血液をため込む

時間が短くなる

これによって心拍出量や冠血流量が

減少するため、長く続くほど

心臓が酸素不足になって、収縮が弱くなり

血圧も下がります。

ただし、患者によって状況が

違う場合もある!

★私も実際の患者さんで、HR130前後のVTが

長時間続いていてもケロッとしている

患者さんを何人か見ました(;^_^A

逆に怖かった(笑)

 

 

心臓自体がもともと元気な場合は

突発的なVTに対応でき、

早い興奮でもしっかり収縮出来て

血圧が維持できることもあります。

でも、早い興奮に対応できる

元気がなければ興奮はするけど

収縮ができず

心臓が止まっているような

血行動態になっちゃう。

この状態のVTはパルスレスVTといいます。

 

VTの種類

VTにも4つほど種類があるので

紹介します。

 

①非持続性心室頻拍(NSVT)

30秒以内に自然となおるVTのこと。

ノンサスといわれることもあります('ω')ノ

 

②持続性心室頻拍(SVT)

30秒以上続くVT。

ほとんどの場合VTといってる。

 

③促進性心室固有調律(AIVR)

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真ん中らへんの下にVと書いてあるあたりの

波形のことをいいます。

心室が心房よりも速いペース(70~120回/分)

で、刺激を作って興奮している状態。

スローVTといわれることもあります。

AIVRは心筋梗塞の治療後などに出やすいですが

70~120回/分程度のリズムなので

血行動態が崩れにくい!

なので経過観察することが多いです!

 

④多形性心室頻拍(TDP=トルサデポアンツ)

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こんな波形です。

VTのなかで一番怖いです。

小さな波形から大きな波形まであって、

全体的にねじれたような形をしている

波形です。

わたしもTDPに出会ったことあるの

数回ですけどTDPになると

心室細動(VF)に移行しやすい

と言われています。

危険度が一番高いものです。

 

 

2 心室細動(VF)

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こんな感じの波形です。

波形の特徴

・全く不規則な基線の揺れ

 

この波形の時は心臓には収縮期も拡張期も

存在しない!

なので心拍出量はになります。

 

VFの時の心臓の動き

心室の心筋細胞が、ばらばらに勝手な

刺激を出してばらばらに興奮して

収縮できずにブルブルと震えている

状態です。

そのため、全く収縮できず血液が

全身に送り出せていません💦

心臓が動いていないのと

同じ状況ですね。

 

3 VT・VF時の対応

VT・VFを発見したら…(;'∀')

①応援を呼びながらベッドサイドへ!

 VT・VFですなどと具体的な不整脈

 名前を出しながら、急いで患者の

 もとに向かいます。

 不整脈の種類が瞬時にわからなければ

 とりあえず、波形が変です!!!

 と叫びながら向かってください。

 

②患者に声をかけながら、頸動脈が

 触れるか確認します(レベルと脈の確認)

 応援に来てくれたナースに医師への

 連絡、救急カートやAEDを依頼する。

 VTの場合、血圧が下がらない場合もある。

 患者より反応があったらまだ大丈夫!

 応援がくるまで、患者から離れず

 意識レベルの確認をしながら

 脈や他バイタルサインの観察を行う。

 モニター波形がその場で

 見れないのであればモニターが

 リアルタイムで見ることが出来る

 タイプのものに変更することも大事。

 

③いつでも心肺蘇生(CPR)を開始できる

 ように準備をする

 血行動態が崩れる恐れがあるので

 いつでも心肺蘇生が出来るように

 ベッドを平らにしたり近くに

 救急カートを置いたり環境を

 整えておく。

 ルート確保の準備をしておく。

 忘れがちな記録は必ずしておく!

 記録については

 「何時に何をやったか」がわかるように

 とりあえずメモでいいので

 どこかに書いておく。

 施設によっては、救急カートの上に

 メモ用紙を置いているところも

 あるようです。

 記録はどこかに書いておけば

 後から記録を整理できるので

 事実が分からなくならないように

 メモは必ず取ってください!

 

④VTで脈が触れない・意識がない時

 明らかにVFのときは、胸骨圧迫を!

 

AEDが到着したら、状況によるが

 必要時装着し解析、ショック

 を実施します。

 医師が到着すれば状況によるが

 除細動の実施があるかもしれません。

 除細動器(DC)には、

 単相式と2相式があります。

 何ジュール(J)から始めるのか

 医師に確認しセットします。

 

 自分の施設の除細動器は

 どんなものか確認してみてください!

 

今日はこんなところです★

どうでしたか??

急変時はものすごく焦るものです。

先輩たちも焦ります。

でも焦って何もできないじゃ

ダメなんです。

だからこそ、日ごろから想定して

おくことが大事!

自分の受け持ちの最悪の状況を

考えて行動することは

患者を守ることにつながります。

 

では今日はこの辺で!('◇')ゞ

 

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