さちこのナース勉強blog

ナースの為の勉強blog&ママナースの日常 元ICUナースが臨床で役に立つ看護の基礎と病態をわかりやすく伝えます。ママになって経験してきたこともお伝えしていきます。

心電図 心房期外収縮(PAC)と心室期外収縮(PVC)

こんにちは、さちこです!('◇')ゞ

昨日は正常心電図についてお話ししたので

今日は不整脈について

やっていきたいと思います。

まずはよく見かける不整脈から

お話しします☆

 

今回お話しする不整脈

特に心臓に既往がない方でも

起こる不整脈です。

またこの不整脈が出始めたら

危険な不整脈の出現の可能性があるので

注意が必要になります。

なので、まずはこの身近な不整脈について

理解して波形を認識できるようになることが

大切です!

なんとなくはわかるけど

なんとなくで見ちゃってるなぁ

という方もいると思います。

今回は不整脈の波形と心臓の動き

についてお話ししているので

イメージしやすいと思います☆

これを機に振り返ってみてください!

 

では、始めます!

 

本日の流れ

 

1 心房期外収縮(PAC)

心房期外収縮(PAC)と聞いて、

パッと波形が浮かびますか??

 

f:id:saccyan0816:20200824151810p:plain

こんな感じの波形です。

波形の特徴としては、

・洞調律よりも早くP波が出現

正常波形のP波と形が違う

・P波以外は波形は変わらない

です。

 

PACが出た時の心臓の動き

昨日の振り返りですが

P波って何をしていましたか??

(◎_◎;)

 

そう、P波は洞結節から刺激が

伝わってきて右房と左房が

収縮する動きを表した波形

でしたよね!

そのP波がいつもより早く

出てきちゃうというのは

心臓で何が起こっているのかというと

心房内の心筋細胞が、洞結節の刺激を

待たずに勝手に刺激を出してしまって

心房が収縮してしまっている状態

なんです。

いつもは洞結節さんから

刺激を出すところが心房さんが

勝手に刺激を出しちゃうので

いつもとはちょっと違うP波の

波形になるんですね。

これを異所性P波といいます。

 

房室内の心筋さんがちょっと出しゃばって

心臓の電気刺激の段取りが

ちょっと変わってしまったけど

そのほかの刺激伝導系は正常運行なので

他の波形は変わらず、心臓の動きも

正常の時と変わりません。

だけど本来のタイミングより早く

収縮させられちゃうので心房内に

血液を十分に貯められないまま

心室へ血液を送ることになります。

そのため一回拍出量は減少します。

しかーし!

このPAC単体ではほとんど循環動態に

影響を及ぼすことはないです。

 

💡PACはその出現頻度が

上がってくると心房の興奮が高まって

心房細動(AF)に移行する恐れがある。

⇒PACが散発し始めたら、

 モニターをまめにチェック!

 術後、循環血液量不足によって

 PACが引き起こされることもあります。

 AFに移行したら心拍出量が保てず

 血圧が低下するため、注意が必要です。

 術後は特に、循環血液量が十分に

 保たれているか

 尿量や口渇の訴えなどの観察など行い

 確認する必要があります。

 

※散発とは

 PACが30個/時間未満の頻度で出現すること

 

 頻発とは

 PACが30個/時間以上の頻度で出現すること

 

☆上の図は単発ですが、2つ続く

2連発、3つ続く3連発もある。

3連発以上になるとPACのショートラン

と言ったりもします。

PVCの場合も同じ呼び方です!

 

治療

特に治療はしないことが多いですが

自覚症状の強い場合は

β遮断薬やNaチャネル遮断薬(Ⅰ群薬)

が投与されます。

循環血液量が、足りない場合は

細胞外液などの投与が行われます。

 

2 心室期外収縮(PVC)

f:id:saccyan0816:20200824163309p:plain

 

これが心室期外収縮(PVC)の波形です。

PVCの波形の特徴は

・先行するP波がない

QRS波が早く出る

幅の広いQRS波

・T波はQRS波の逆向き

 (QRS波が上向きの場合、T波は下向き

  の波形になる)

 

PVCが出た時の心臓の動き

さっきのPACは、心房がいつもより早く

動いちゃったものでした。

このPVCは、心室がいつもより早く

動いちゃった不整脈です。

洞結節から刺激が伝わってくる前に

心室内の心筋細胞が勝手に刺激を出して

興奮し、心室が収縮した状態です。

 

本来、筋肉の厚い心室をいっせいに

収縮させるためには

右脚・左脚からプルキンエ線維まで

早いスピードで刺激を

送る必要がある!

洞結節から刺激が送られれば、

スピーディーに刺激伝達ができるけど

洞結節以外の場所から刺激が出ると

刺激の伝導が遅くなってしまいます。

伝導が遅くなると、心筋に伝わるのが

遅くなるので心室の動きはいつもより

ゆっくりになります。

なのでQRS波は幅広になります。

QRS波は心室の収縮を

表していましたね💡

また、PVCは心室の興奮が先なので

P波はないです。

P波がないということは…

心房より先に心室が興奮・収縮する

ということ。

心房収縮がないまま心室の収縮が起こり

全身へ血液を送り出すため

送り出すべき血液の1/4が送られない

ことになる!!!

また、心室が拡張して血液をため込もうと

している途中で心室が収縮してしまうので

期外収縮のタイミングが早ければ早いほど

ため込んだ血液量が少ないまま

全身へ血液を送り出すため

循環血液量が少なくなって

血圧が下がります。

 

治療

PVC単発であれば特に問題はないです。

治療が必要になるものとして

連発するもの

 ⇒連発した時点でDrへ報告。

  心室頻拍(VT)に移行しないように

  対処が必要。

RonT

RonTとは、

簡単に言うとT波の頂上から下降部分の間に

心室期外収縮(PVC)のQRS波が重なること

を言います。

これは1発でも起こると

心室頻拍(VT)や心室細動(VF)になる

可能性が高いです。

RonTが出たら、すぐにDrへ報告して下さい。

救急カート、ポータブルモニター、除細動器

をもってベッドサイドに行きましょう!

 

治療が必要なPVCが出るのは

虚血性心疾患、心不全、心疾患既往

がある患者に多いので

患者を受け持つときに注意してください☆

 

具体的な治療は

心筋梗塞急性期の場合

⇒Naチャネル遮断薬(リドカイン)

 アミオダロン など

 

基礎心疾患を伴う場合

⇒β遮断薬、Naチャネル遮断薬、

 アミオダロン など

 

基礎心疾患がない場合

⇒生活習慣の改善

 動悸などの症状がある場合は

 PVC波形を解析して適した

 抗不整脈薬の投与

 

という感じです。

 

どうでしたか??

心電図波形って波形を覚えるのは

ポイントさえ押さえれば簡単だけど

心臓がいったいどんな

動きになっているのかまで

理解するのはなかなか難しいですよね。

でも、心電図波形を理解するには

心臓がどんな動きになっているから

この波形になるんだ!というように

心臓の動きをイメージすることが

大事です!

この記事が皆さんの心電図波形の理解に

すこしでもお役に立てれれば

嬉しいなとおもいます(*'ω'*)

 

この本、とても分かりやすくて

私もよく見てました!

オールカラーなので見やすいですよ☆ 

 

 

 

ではまた書きます!

次回も不整脈シリーズお届けします!

('ω')ノ

 

ブログランキング参加しています!

⇓よかったら押してください!⇓

ブログランキング・にほんブログ村へ